2009年1月25日日曜日

円高!

こっちにいると頻繁に円相場をチェックします。



それにしても円高!!!!



私にとっては、ラッキー!



でも、日本からの製品の輸出は!?
大丈夫なのでしょうか?



一年前だったらカナダドルは100円を越していたのに
今は70円と80円の間を行き来しています。
今日は71円。
この間まではYahooの為替チャートの下のラインが70円だったのに
つい最近60円の線が用意されました。


内定取り消しのニュースが日本で問題になっているのでしょうか?
日本も不景気なのに、どうして円が強いのか。



すっごい疑問です。
ここはどうぞ、亮ちゃん、あなたの出番です!
経済の知識をご教授ください~。

10 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

個人的な意見ですが、、、

不景気が円高にしているのではなくて、円高が不景気にしているのです。

まず、なぜ円高になっているか。。。

その理由として、一番に挙げられるのは海外との相対的な金利差です。
今までは日本の金利が非常に低かったため、円安が続いていた(金利の高い通貨のほうがもうかるから、円が売られ外国通貨が買われていた)のですが、サブプライム問題以降、世界経済が不況に陥ったことで、世界各国の中央銀行は、金利を下げて景気を刺激しようとしています。
しかし、日本銀行は、、、足取りが重いというか、周りの中央銀行が金利を下げても傍観しているだけでなかなか金利を下げませんでした。(ようやく、10月31日や12月19日、1月22日に金融政策を変更して、金利を0.5%→0.1%にしました。)
でも下げ幅が小さいので、日本の金利が海外の金利に対して相対的に高くなっているため、円の人気が出ます。そうすると円を買う人が増えるため、円の価値が上昇し円高になっているのです。

あとは道子さんの理解の通り、円高になれば、今まで海外に1個250円で売っていたものが、今では1個130円くらいになってしまい、売上や利益が減ってしまうし、世界的に不況なため海外でモノが売れなっているという状況なので輸出企業が大打撃を受けています。さらに、これらの会社に物を売っている国内の会社もその影響でモノが売れなくなってしまいます。
そうすると、従来よりモノを作らなくてよくなるため労働力が不要になり、リストラや派遣ぎり、不況が長引くと予想すれば、内定取り消しなどが起こるのです。

わかりずらい説明ですが、わかっていただけました!?

Michiko さんのコメント...

すごいすごいすごい!ありがとー!!

金利差なんて考え浮かんでこなかったです。日本の金利が低いことは去年、勝間さんの本で勉強したよ。でも、この不景気で他の国々が金利を下げていたんだね。

わかりやすい!どうして円高になって、それが不景気につながるっていう流れは理解できました。

疑問なんだけど、

>サブプライム問題以降、世界経済が不況に陥ったことで、世界各国の中央銀行は、金利を下げて景気を刺激しようとしています。

景気を刺激するってどういうことでしょう?金利を下げると景気が回復する?とは必ずしも言えないと思うのだけど。

Unknown さんのコメント...

>景気を刺激するってどういうことでしょう?金利を下げると景気が回復する?とは必ずしも言えないと思うのだけど。

この質問待ってました!!

前提として、国民所得が増えると経済成長しているとします。
このとき国民所得はどのように表されるのかというと、いくつかモデルがありますが、
Y(国民所得)=C(家計の消費)+I(企業の投資)+G(政府の支出)+(輸出X-輸入M)
であらわすことにしましょう。これは所得の三面等価という原則からできたもので国民所得を支出面からみたものです。このほかに、生産面、分配面から見ることもできます。しかし、通常経済学では支出面から表現することが多いです。

ここで、金利を下げると、企業にとってみれば銀行からお金を借りやすくなります。そこで、企業は今よりお金を借りるようになり、その借りたお金を使って、設備投資を行い生産拡大や新製品を作ったりします。これは上記のモデルでいう投資(I)の増加になります。さらに、設備を拡大すれば、新たな雇用が創出されることや、その結果、全体的に家計への収入が増えるため、その増えた部分の一部が消費(C)に回されるため、国民所得(Y)の値が増えることになります。

イコールではありませんが経済成長することは、好景気を意味しています。そのため、金利を下げることは景気を良くするための政策といえるので景気刺激策とか言われたりするのです。
このように、金利を下げることで景気を刺激することを金融政策といいます。中央銀行が行う経済政策のことをいいます。

ちなみに、政府が公共投資を増やしたりするのはGが増加することだし、減税することは実質的に家計の収入を増やすことになるので
、その一部が消費(C)に回されることになります。これらは上記式を見ればわかるとおり国民所得(Y)を増やすことにつながります。このように、政府が財政支出を増やしたり、税収入を減らしたりして景気を刺激することを財政政策といいます。

またもや読みづらくなってしまってすいません。

ただし、企業による借入が増えるかは企業が今後景気がどうなるかにかかっています。やはり、お金が借りやすくなって設備投資しやすくなっても、採算が取れないと判断すれば、企業はお金を借りたりしません。だから政府が他の景気刺激策を実施することで、企業が今後景気が良くなるだろうと判断させるようにしているのです。

Michiko さんのコメント...

またまた期待以上の回答をありがとう!!すっごい感心しちゃう。

ふむふむ、ふむふむ、ん?ん?って感じ。笑

>このように、金利を下げることで景気を刺激することを金融政策といいます。中央銀行が行う経済政策のことをいいます。

そうだったんだ!金融政策って金利を下げて景気を刺激することなのね。知らなかったよ。


金利が下がれば企業がお金を借りやすくなってっていうのはわかりました。亮ちゃんが最後に言っている通り、だからってそんなにうまく、企業が設備投資をして雇用が増えて、家計の収入が増えるのかな~って感じたよ。

また2つほど質問があります!


>ただし、企業による借入が増えるかは企業が今後景気がどうなるかにかかっています。やはり、お金が借りやすくなって設備投資しやすくなっても、採算が取れないと判断すれば、企業はお金を借りたりしません。だから政府が他の景気刺激策を実施することで、企業が今後景気が良くなるだろうと判断させるようにしているのです。

他に景気刺激策ってどんなものがあるの?


次の質問です。

>Y(国民所得)=C(家計の消費)+I(企業の投資)+G(政府の支出)+(輸出X-輸入M)

国民所得を支出面から考えるとこうなるんでしょ。政府の支出について。今の日本みたいに政府が赤字ばかりだとGも増えないのでしょうか?そもそも政府の財源は国債と税金、それから?


今も栄養の課題やってたのねー。それから今週またテストがあるの!

経済についてここで勉強できて、とっても新鮮です☆

Unknown さんのコメント...

>そうだったんだ!金融政策って金利を下げて景気を刺激することなのね。知らなかったよ。

逆にバブルになりそうなときは金利を上げて景気を抑制することも金融政策です。ちなみに前まで日銀が金利を0%にしてたのがゼロ金利政策です。
これ以外にも、貨幣供給量を増やしたり減らしたりして世の中に出回る紙幣を調節することで、景気を調節すること(量的緩和政策)とかもあります。

>他に景気刺激策ってどんなものがあるの?

政府が行えるのは、基本的には減税か公共事業への投資(財政支出の増加)とかです。
たとえば、10年前にやった地域振興券とかは、国民が納めた税金の一部を地域振興券という形でしたことと同じことなので、減税と言えます。これは、その地域限定で家計が消費行動を行うことで、①消費を増やすこと②その地域を活性化することという狙いがありました。
あとは1960年代の高度成長期といわれる時代では、ご存知のとおり日本政府は公共投資をバンバンやっていました。これは財政支出です。公共投資を増やすと、仕事が増えるわけだから、当然雇用が創出されます。それと同時に公共投資の委託を受けた企業も儲かるし、その事業を行うため必要な材料を仕入れたりするので、仕入先も儲かります。このような連鎖によりやがて経済全体が利益を得て、それを投資に回して更なる利益を得るということが狙いでした。
 これらが一例ですが、どれもCやGやIの増加によって国民所得を増やそうとしていることは同じです。ただしこれらの政策が、実際に効果があったのかについては実証研究してみないとわからないことです。あくまでも、理論上の話です。
 
政府の財源については、、、http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/002.htm
を見てください。基本的には道子さんの言ったとおりです。

それと、おっしゃるとおり、国債の償還も財政支出なのでGが増加するはずです。でもこのモデルでは国債のような借金はないものと仮定しているようですね。
財政支出といっても、国債の償還はあくまでも借りたお金を返還しているだけなので景気刺激策にはなりません。
景気刺激策として使えるのは、今あげたものなど、家計や企業に経済的(社会的ではなく)に有利に働くものに限定されていると思います。ここは個人的な考えなので絶対ではありませんが。


当たり前のことですが、補足。

企業の投資や公共事業をしてから、そのリターンを得るようになるまでには長い時間がかかるし、どこに何を投資するかや工事するかの決定やコストベネフィットは良いかなどの算定にも時間がかかります。
だから、景気刺激策を実施したとしてもその効果が現れるまでには時間がかかります。これを政策ラグといいます。
だから政府や中央銀行は数年先では景気が良くなっているだろうとみんなに思ってもらえるような政策を実施することが景気回復には不可欠なのです。

匿名 さんのコメント...

先生すごい!うちの経済学の先生より分かりやすかったw
金利のとこはこの前レポート書いてたときにちょうどみちこさんと似たようなとこがうまく理解できなかったから参考になりました。
さすが会計士!

Unknown さんのコメント...

Naoya

理解できたならよかったです。
自分で読んでも理解しずらかったのに。
でも、実際の経済の動きと合っていないようなところがあるから、なんかね~。。。

昔の経済学の理論が古いから、もっと新しい論文とか読まないと今の経済の動きは理解できないかもね。

ちなみに、会計士では経済学のテストは受けたい人だけ受けるから、俺は受けてないよ!!

Michiko さんのコメント...

亮ちゃん、またまたまた丁寧な解説をありがとう!

金融政策について理解できました。

地域振興券、懐かしい!!あれの意図はこういうことだったのね。国民としては直接的な減税のほうが嬉しい気がするけど、ローカルな経済というのに貢献できて良いね、と今なら思える。経済の範囲がグローバルになりすぎての弊害とか聞くからね。食品とか。

60年代ってうわさの田中角栄時代!?この総理のことよくわかっていないんだけど、公共投資をバンバンバンバンやったって理解で合ってる?そのつけが今ものこっている。。。というのは本当なのだろうかぁ?

政府の財源の資料ありがとう!!
これ、国と国で比較したら面白そう~。今度カナダの調べてみたい。

亮ちゃんのおかげで、中央銀行の大切さがすっごいわかりました。日銀のひとたちって公務員??

Unknown さんのコメント...

60年代ってうわさの田中角栄時代!?この総理のことよくわかっていないんだけど、公共投資をバンバンバンバンやったって理解で合ってる?そのつけが今ものこっている。。。というのは本当なのだろうかぁ?

60年代は詳しくは分かんないんですけど、1960年に池田勇人が所得倍増計画を推進したことで、重化学産業が成長できるように国債を発行して、公共投資をバンバン増やしたんじゃないかと思います。
でも、最初の目的は雇用を創出して完全雇用を達成しようということが目的だったらしいですよ。

今の借金が多いのは、、、90年代以降の公共投資のせいです。この時の公共投資の特徴は、地方活性化が大きな目的の一つだったことだと思います。
ちなみに、投資の内容は産業投資型投資(企業の研究開発に対する補助金とか)や社会資本型投資(道路建設や下水道とか)などが主かな。定かじゃないので話半分で。
あと、日本の借金残高の推移は、
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2006/saimu02b_04.pdf#search='国債残高推移' にあります。これを見ればわかるように、90年以降急速に増えています。

ただ、国が借金すること自体は何の問題もないですよ。むしろ、各国どこでも借金はしています。
企業は、お金を借りて事業をしています。それなら事業をしている国がお金を借りても何ら問題ないわけです。
ただ、採算が取れなければ借金がかさんでしまうのでだめですが。

日本銀行の人は、公務員ではないですよ。
日本銀行が独立して政策決定を行えるようにするには、政府から独立する必要があるので、公務員ということはありません。

Michiko さんのコメント...

>1960年に池田勇人が所得倍増計画を推進したことで、重化学産業が成長できるように国債を発行して、公共投資をバンバン増やしたんじゃないかと思います。
でも、最初の目的は雇用を創出して完全雇用を達成しようということが目的だったらしいですよ。

60年代。。全く知らなかったよぉ。きっとこれで重化学工業が発展して、公害や公害病も起こったんだね。やっぱり政治と経済は密接なんですね。


国が借金すること自体は悪くないのね。確かに採算が取れれば問題はないよね。。でも、今の状態って問題かなりありそうね。

あ、日本銀行が政府から独立してなければならないってどこかで習ったような!あやうく勘違いするところだったよぉ。教えてくれてどうもありがとう!!


私と違って計画性満天だから大丈夫だと思うけど、無事に出発してねぇ☆